皆さんは自宅の防犯対策に自信がありますか?
もし今、空き巣に狙われているとしたら、その前兆に気づくことができるでしょうか?
空き巣被害は、私たちの日常生活に大きな不安を与える深刻な問題です。
警察庁の犯罪統計資料によると、2022年の空き巣等の侵入窃盗の認知件数は36,588件でした。

前年と比べると減少傾向にありますが、依然として看過できない件数です。しかし、多くの空き巣被害は、事前に何らかの前兆があったにもかかわらず、見逃されてしまっているのが現状です。
空き巣の前兆を知り、適切な対策を講じることで、被害を未然に防ぐことができます。
本記事では、空き巣の前兆として知っておくべき5つのサインと、効果的な対策方法について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
空き巣の前兆とは?知っておくべき5つのサイン
空き巣は、ターゲットとなる家を決める際に、必ず下見を行います。
この下見の際に現れるサインが、空き巣の前兆となります。
以下の5つのサインに注意を払うことで、空き巣被害を防ぐ第一歩となります。
不審な訪問者や電話
空き巣犯は、家人の在宅状況を確認するために、様々な手段を用います。その代表的なものが、不審な訪問者や電話です。
- セールスや宅配業者を装った訪問者
- 無言電話や、特定の時間帯に繰り返しかかってくる電話
- インターホンを鳴らして、すぐに立ち去る人物
これらの行動は、家人の生活パターンを把握するための手段として使われます。特に、毎週同じ曜日・時間帯にかかってくる非通知の電話には要注意です。
マーキングの発見
マーキングとは、空き巣犯が侵入しやすい家や、留守がちな家を仲間に知らせるために使う暗号のようなものです。
以下のような場所に、見慣れない印や記号が付けられていないか確認しましょう。
- 玄関ドアの周辺
- 郵便受け
- 電気メーターやガスメーター
- 塀や門扉
マーキングの例
- ○:侵入しやすい
- ×:侵入困難
- △:要確認
- 数字:家人の人数や不在時間
マーキングを発見したら、すぐに消去し、警察に相談することをおすすめします。
見慣れない人や車の出現
空き巣犯は、下見の際に怪しまれないよう、様々な姿を装います。以下のような不審な人物や車両に注意しましょう。
- 作業着姿で周辺をうろつく人物
- ジョギング中にやたらと家の中を覗き込む人
- 同じ車が何度も低速で通過する
これらの行動は、家の構造や周辺環境、住人の生活パターンを確認するためのものです。
見慣れない人物を見かけたら、挨拶をするなど、こちらが気づいていることをアピールするのも効果的です。
SNSを通じた情報収集
近年、空き巣犯はSNSを利用して、ターゲットとなる家の情報を収集することがあります。以下のような投稿は、空き巣犯に有用な情報を与えてしまう可能性があります。
- 長期休暇の予定を公開する
- 高価な物品の購入をアピールする
- 自宅の内装や外観の写真を頻繁に投稿する
SNSの利用には細心の注意を払い、個人情報や行動予定の公開は控えめにすることが大切です。
郵便物や新聞の溜まり
長期不在の際、郵便物や新聞が溜まっていると、空き巣犯にとって格好のターゲットとなります。以下のような状況は、空き巣を誘引する可能性があります。
- 郵便受けから郵便物があふれている
- 玄関前に新聞が複数日分積まれている
- 宅配便の不在票が何枚も貼られている
長期不在時は、新聞配達を一時停止したり、信頼できる知人に郵便物を回収してもらうなどの対策が有効です。

空き巣に狙われやすい家の特徴
空き巣犯は、侵入しやすく、かつ見つかりにくい家を選んで犯行に及びます。以下のような特徴がある家は、特に注意が必要です。
立地条件
- 人通りの少ない場所にある
- 繁華街や駅から離れている
- 周囲に空き地や公園がある
- 街灯が少なく、夜間は暗い
これらの条件は、空き巣犯が侵入や逃走をしやすい環境を提供してしまいます。
家の構造と外観
- 1階に窓が多い
- ベランダや屋根への侵入が容易
- 塀や生垣で家の中が見えにくい
- 防犯カメラや警報装置が設置されていない
このような構造は、空き巣犯に侵入の機会を与えてしまう可能性があります。
生活パターンの特徴
- 共働きで日中不在が多い
- 頻繁に旅行や出張で家を空ける
- 夜間の外出が多い
- 近所付き合いが少ない
これらの生活パターンは、空き巣犯に侵入のタイミングを計りやすくさせてしまいます。

効果的な空き巣対策方法
空き巣被害を防ぐためには、物理的な防犯対策と日常生活での注意、そして地域コミュニティとの連携が重要です。
物理的な防犯対策
防犯設備の設置
- 防犯カメラやセンサーライトの取り付け
- ホームセキュリティシステムの導入
- 窓や玄関ドアへの補助錠の追加
窓や玄関の補強
- 防犯フィルムの貼付
- 二重ロックの設置
- 玄関ドアののぞき穴の拡大
日常生活での注意点
戸締まりの徹底
- 外出時は必ずすべての窓とドアの施錠を確認する
- 在宅時でも、使用していない窓やドアは施錠する
- 郵便受けや新聞受けを定期的に確認し、溜まらないようにする
- 長期不在時は、信頼できる知人に定期的な見回りを依頼する
SNSの適切な利用
- 外出や旅行の予定を公開しない
- 自宅の内外装写真の投稿は控える
- 高価な物品の購入をSNSで公開しない
- プライバシー設定を厳重にし、フォロワーを制限する
地域コミュニティとの連携
近隣住民との協力
近所付き合いを大切にし、互いに見守り合う関係を築くことが重要です。
例えば、長期不在時に植木の水やりや郵便物の回収を依頼するなど、日頃からコミュニケーションを取ることで、不審者の発見や通報がスムーズになります。
自治体の防犯活動への参加
多くの自治体では、地域の防犯パトロールや防犯講習会を実施しています。これらの活動に参加することで、最新の防犯情報を得られるだけでなく、地域全体の防犯意識向上にも貢献できます。
実際に、東京都のある地域では、住民主導の防犯パトロールを開始してから、空き巣被害が前年比30%減少したという事例があります。地域ぐるみの取り組みが、確実に成果を上げているのです。

最新技術を活用した防犯対策
近年、防犯技術の進歩により、従来の物理的な防犯対策に加え、AIやIoTを活用したスマートホームセキュリティの導入が増加しています。
セキュリティ業界では、これらの技術を組み合わせた総合的な防犯ソリューションの開発が進んでいます。
以下に、最新の防犯技術をご紹介します。
IoTデバイスによる見守り
スマートホームデバイスを活用することで、外出先からでも自宅の状況を確認できます。
- スマートドアベル:来訪者を映像で確認し、双方向通話も可能
- モーションセンサー:不審な動きを検知し、スマートフォンに通知
- スマートライト:不在時でも在宅を装うことができる
これらのデバイスは、スマートフォンと連携することで、リアルタイムでの監視と制御が可能です。
AIカメラの活用
人工知能(AI)を搭載したカメラは、単なる撮影だけでなく、状況判断も行います。
- 人物検知:不審者を自動で識別し、警告や通報を行う
- 異常行動検知:うろつきや覗き込みなどの不審な行動を検知
- 顔認証:登録された家族や知人以外の人物を識別
AIカメラの導入により、24時間365日の監視が可能になり、人の目では見落としがちな異常も察知できます。
スマートロックの導入
スマートロックは、スマートフォンや指紋認証で開閉できる高機能な鍵です。
- リモート操作:外出先からでも施錠・解錠が可能
- アクセス履歴:誰がいつ出入りしたかを記録
- テンポラリーキー:一時的に他人にアクセス権を付与できる
スマートロックを導入することで、鍵の紛失や複製のリスクを軽減でき、より安全な入退管理が可能になります。
これらの最新技術は、従来の物理的な防犯対策と組み合わせることで、より強固な防犯体制を構築することができます。
ただし、導入にあたっては、プライバシーやセキュリティにも十分注意を払う必要があります。
空き巣の前兆を発見したらすべきこと
空き巣の前兆に気づいた場合、迅速かつ適切な対応が重要です。
以下の手順に従って行動しましょう。
即時の対応策
- マーキングを発見した場合は、すぐに消去する
- 不審な人物や車両を見かけたら、安全を確保しつつ写真や動画を撮影する
- 家族や同居人に状況を共有し、警戒を呼びかける
- 戸締まりを再確認し、必要に応じて補強する
6.2. 警察への相談と連携
- 最寄りの警察署や交番に相談し、状況を報告する
- パトロールの強化を要請する
- 防犯カメラの設置位置などについてアドバイスを求める
- 地域の犯罪発生状況について情報を収集する
近隣への注意喚起
- 近隣住民に状況を説明し、注意を呼びかける
- 地域の防犯グループや自治会に情報を共有する
- SNSやコミュニティアプリを活用し、広範囲に情報を拡散する
- 共同で見守り活動を行うなど、地域ぐるみの対策を検討する
これらの対応を迅速に行うことで、空き巣被害を未然に防ぐ可能性が高まります。
また、同様の前兆が地域で多発している場合は、警察や自治体と連携し、より大規模な対策を講じることも検討しましょう。
まとめ
空き巣被害は、適切な知識と対策があれば、大幅に減らすことができます。
本記事で紹介した5つの前兆サインを覚え、日頃から警戒することが重要です。
重要ポイントを再確認しましょう。
- 不審な訪問者や電話に注意を払う
- マーキングの有無を定期的にチェックする
- 見慣れない人や車の動きに敏感になる
- SNSでの情報公開に気をつける
- 郵便物や新聞が溜まらないようにする
また、物理的な防犯対策、日常生活での注意、地域コミュニティとの連携、最新技術の活用を組み合わせることで、より強固な防犯体制を築くことができます。
空き巣対策は一朝一夕には完成しません。
継続的な防犯意識と、定期的な対策の見直しが重要です。
家族や地域ぐるみで防犯意識を高め、安全・安心な暮らしを実現しましょう。